使用ロボット


WROの規定では参加する場合「市販のロボットキットを利用すること」と明記されています。実はWRO、LEGOのMINDSTORMSしか使えないわけではありません。ですが事実上大会で使用されるロボットキットはLEGO MINDSTORMS RCX/NXTだけです。どうしてでしょう?

これは様々な企業へ向け協力を仰ぐ際よく言われることの一つです。またこのため参加を躊躇している方もいると聞きます。

なぜ「LEGO MINDSTORMS なのか?」

これには理由があります。世界中は今ロボットブームです、様々なロボットが年間多数発売されています。そのロボットは日々高性能化していますがそのほとんどが用途が限られていたりと教育目的での用途に使うには大きな障害が多数ある現実があります。

実際まだまだ高価であり、またWROの目指す、ものづくりの間口を広げるために小中学生に使わせるにはあまりにも難しく、安全性に問題がある物がほとん どです。またさらに、世界中の選手が共通のプラットフォームとして使用するためと考えた場合、実はLEGO社のMINDSTORMSを超える物が現時点で 存在しないという現実があります。

元々MINDSTORMSは教育に利用することを想定し、MIT(マサチューセッツ工科大学:Massachusetts Institute of Technology)と協力して開発されました。私個人の推測ですが、当初はあまりもうけにはならなかったのではないでしょうか?
それでもLEGO社は生産発売を続け、今でも世界中でサポートを継続しています。今私たちがWROでLEGO MINDSTORMSを利用できるのもLEGO社のそういった企業努力の結果と考えています。
当然、今後これに変わる物が出てくるかもしれません。しかしWROの理念はそういったことに左右されません。

WROの理念は

 

これからを担う子供たちが将来に希望を持てるようになること

 

それだけです。

私もWROに出会うまでいくつかのロボット大会を経験し子供たちと参加したことがありました。実はWROに取り組み始めた時には正直LEGO MINDSTORMSと言う物に対して、おもちゃという認識が強く、その手軽さだけをメリットに思っていました。
しかし中四国予選会を開催するに当たって選手、引率教員、そして企業の意見を伺いながら実施するに当たって、LEGO MINDSTORMSのもつ潜在的な能力に気づかされる毎日となっています。

その大きな特徴をかいつまんで以下に挙げてみます。

  1. 低コスト(ロボット機材)
    WRO認定機材であるMINDSTORMですが、キットで4万円程度、それに拡張キットや制御ソフトウェアの組み合わせとなります。
    おもちゃとしては高価ですが、ロボット教材と考えれば非常に低価格です。
    また、金属加工を伴う部品が必要ないため、何十万円ものコストをかけずに低価格でシステムが構築できます。
  2.  

  3. 安全性
    もともと玩具のため安全性が高く、低学年層でも教師や保護者の監視が特に必要ありません。
    非常に忙しい教育の現場、その中で子供たちへ興味を持って物事に取り組ませる事は重要です。しかし、使用する際危険であれば誰かが常に見守らなくてはいけませんこれは教師にとって非常に負担になります。
    パーツの管理は必要ですが、非常に安全であるために、なかなか手がかけられない学童保育やクラブ、部活動など取り組みに利用できます。
    また教育版では収納ケースも管理しやすいよう構成されており、パーツの管理を通して、図形認識能力も養えます。
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  5. 総合的学習性
    学習において「試行錯誤」を繰り返し行って学習することは重要ですが、安全だからゆえ、学生が気の済むまで試行錯誤する環境を作る事が容易です。基本的に必要なのはスペースだけです。
    また機材として非常に低機能であるが故に、工夫が必要で、そのため発想力を養うことができます。どちらも基本的に同じ部材を利用しています。選手にとって、「良い部品を使っているからあいつらは勝てるんだ」という言い訳 はできません。
    地区予選会で負ける機体も、国際大会で優勝した機体も同じものです。
    そのため、小、中、高校生すべての参加者において分析能力、幅広い知識、想像力、構成力、チームワーク、さらに世界大会ではルール説明等英語で行われるため語学能力、各国参加者との交流など、幅広い学習が可能です。
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  7. 参加しやすさ
    簡単に組み替えることができるため、学生自体が自発的に試行錯誤を行い学習することが容易です。そのため未経験者でも気軽に試し、技術を習得しやすい環境です。
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  9. 公平な大会運営
    共通のプラットフォームを使い競技するため、高価な部材を使い有利になることがありません。
    また専門的な知識による差異があまり発生しないため、誰にでも世界を目指事が可能です。
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  11. 機材の再利用が可能
    一度購入した部材を何度でも様々に組み替えて利用できます。実行委員会でも貸出が可能あのはこの点が大きく一度購入した機材が無駄になりません。
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  13. スケーラビリティの広さ
    小学生から企業の研修まで幅広い利用が可能です。
    おもちゃという認識が強いLEGO MINDSTORMSですが実は企業の研修にも利用されている実績があります。そのため、家族の方がお子さんと一緒になって取り組んだり、大学に進学した WRO選手が、後進の学生のフォローしたりと、子供から大人まで共通の教材を使っての取り組みが可能で、単なる一時期の取り組みでは終わりません。
    このことから小中学生へのフォローを高校生が、高校生のフォローを大学、専門学校が、さらに大学、専門学校生に対して企業や大人が行う事も可能で今までになかった流れを作り、地域での有機的なコミュニティに発展する可能性を持っています。

特に“公平な大会運営”、”機材の再利用が可能”、”スケーラビリティの広さ”は,その他のロボット大会では得ることの出来ないメリットとなります。

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